#018 株式会社ABLE

90年代以降凋落の一途だった日本の半導体産業。今世界の半導体市場は拡大を続け、日本においても投資が拡大し、半導体製造装置など部分的にはトップの地位を築いているそうです。日々のニュース記事で「半導体」という単語を目にしない日はありません。国際政治、世界経済の重要なキーワードです。

本来の「半導体」という単語は、電気を通す金属などの「導体」と電気を通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質を持つ物質を指しますが、それらの物質材料を使った精密機器全般のことを指したり、より広義な使われ方をすることもあります。

そこで今回は、まったく予備知識のない方にもお伝えしたいという視点で「半導体」について精密機器設計製造のエイブル(さいたま市)の浅野 芳弘社長に話を伺ってきました。半導体製造装置に係わる設計製造は、同社の主力事業でもあります。

―半導体を小学6年生でもわかるように教えて欲しいです。
簡単に言うと、半導体は電気を通す・通さないによって、また電気をどの程度通すかによって、電気信号によるON/OFFを制御するものです。

―どんなモノに半導体は使われていますか?
パソコンやスマホはもちろん、デジタル家電にはほとんど入っています。
ありとあらゆるものに使われているから、使われていないものを探す方が大変じゃないでしょうか。たとえば腕時計のG-SHOCKには入っていますが、機械式時計のROLEXには入っていません。

―家電の場合、どれぐらい前から半導体が使われていたのですか?
50年ぐらい前にはもう使われているでしょうね。
炊飯器を例に挙げると、昔の炊飯器はお米を炊くボタンのみで制御がシンプルでしたから、大きな基板と半導体が使われていました。
今ではタイマー機能やお米の硬さの調節、さらにはお米を炊くこと以外の調理までをまかなえるので、その分の制御も複雑化し、求められる半導体もより精密化が進んでいます。

―半導体ってどのくらいの大きさ。
機器の性能や技術の進化に伴って半導体も進化しています。
半導体がパッケージされた集積回路の微細化が進み、今では1~2nm(ナノメートル)のレベルに発展を遂げてきました。約1mmの砂の粒の100万分の1、髪の毛1本の太さの10万分の1に相当する大きさです。皆さんが持っているスマホは、この微細化が進まなかったら存在していません

【株式会社ABLE】
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