トップページ画像から始まり、白地ベースのサイト全体にたくさんのイラストが配置された関東測機社のWebサイト。先日Web制作専門の月刊誌の取材を受けたばかりです。
同社の浅野太郎社長(48)が、サイトリニューアルに求めたのは「会社の楽しさが伝わり良い人材の採用に繋がるデザイン」でした。
練馬区で設立42年。内装施工管理会社として広報したい施工実績はあまたあるものの元請会社の許諾は簡単ではない。そんなときイラストを活用した同業大手の広告を見て、「イラストをメインにしたサイトにしよう」と決めたそうです。
イラスト70カット。作画は新入社員
そしてこのたくさんのイラスト。なんと入社したての、しかも作画未経験の新入社員が描いたという事実は、なかなかユニークな裏話だと思いませんか。
「近所で求人があったから」と照れながら入社志望動機を話す同社営業企画開発部の中島結香さんは、未就学のお子さん2人の育児と仕事を両立させている女性。入社直後に浅野社長からサイトリニューアルの話を聞くとともに、サンプルのイラストを提示されたそうです。
「社長から、『こんな感じの絵は描ける?』って聞かれて、根拠もなく『いけそうです』って応えました」ということです。打合せも重ねたそうです。
たとえば、会社理念のコーナーに置くイラストをどうするかなどは、議論を重ねた上で「やる気」「心地いい場所」「思いやり」の3つのキーワードに決まったものの、イラストモチーフは中島さん任せ。
なぜ「心地いい場所」が「おばあちゃんとおかあさんに囲まれた小さな子」なのかに、確固たる根拠はない、中島さんの感性だそうです。
作画に費やしたのは約1か月半。仕上がった70カットのイラストは、浅野社長の旧知のデザイナーに依頼して色付けされaiデータとして当社に届きました。
WEBデザイナーの工夫は…
ここからは当社制作チームの領域です。
担当WEBデザイナーの浜野久美子は、イラストのaiファイルを受け取ったときのことを「(ディレクターからは)シンプルに仕上げたいと聞いていたのですが、賑やかで子供っぽいというか可愛らしい。これらをどう活かすのか。ひとつひとつを小さめに配置して余白をうまく使えば、期待されたテイストに仕上げられるかもしれないと思った」と振り返ります。
彼女が考えたデザインアレンジは、たとえばトップ画像なら「カンソクの創造」というメインコピーの下のオレンジの点々を入れたり、一つのイラストファイルを分解して足りない部分に配置したり。余白を小さなイラストで埋めたり…。
また、大見出しの欧文を横長の社名ロゴタイプにマッチした「モンセラート」というグーグルフォントを採用するなど、デザイン全体の統一感を補う工夫を凝らしました。
公開までスムーズだった理由
完成したデザインは、担当ディレクターから浅野社長へ提出されましたが、嬉しいことに文字修正レベルの指摘以外に変更はありませんでした。
浜野は、「とにかくたくさんのイラストを用意してもらえたからこそ成立したと思っています」。案外そこが公開までスムーズだった理由の大きなポイントだったのかもしれません。
株式会社関東測機社:https://www.kan-soku.co.jp/
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